4. 勝てる戦いに勝つ。
孫子の教え。
昔の戦が上手な人は、まず味方の守りを固めて絶対に負けない態勢にして、敵が弱点をさらけ出したりして絶対にこっちが勝てる態勢になるのを待った。
負けない態勢を作るっていうのは自分次第だけど、敵に勝てる態勢っていうのは敵次第だから、そこはいつも思い通りになるわけじゃない。
だから、戦が上手な人だとしても、絶対に負けない態勢を取ることはできても、敵の態勢に関わらず絶対に敵に勝てるかって言うとそうじゃない。
こうなったら勝てる、っていうことはわかるけど、確実に実現するわけじゃない。
負けない態勢は守りによって実現する。
勝ちは攻めることで実現する。
戦力が不足してるんだったら守ろう。
戦力が余ってたら攻めよう。
守りが上手な人はまるで地下の深くに隠れるように潜む。
攻めが上手な人はまるで高い空を駆けるように動く。
だから全くダメージを受けずに完全勝利ができちゃう。
しろうとにでもできるような勝ちの予想ができるぐらいじゃレベル低い。
派手に戦いに勝ってみんなにワーワー言われてるうちはまだまだ微妙。
細い毛をぴろっと持ち上げただけで「わー力持ちですねー」なんて言われないっしょ?
「私には太陽も月も見えますよ」「わー目がいいんですねー」ってならないっしょ?
「私には雷の音が聞こえるんです・・・」「耳すごいいいですね!」なんて言うわけないっしょ?
昔の戦が上手な人は、勝てる戦いに勝つ!w
だからそういう人って、トリッキーな勝ち方もしないし、すごく頭がいいって思われるような勝ち方もしないし、めちゃ武勇伝になるような派手な勝ち方もしない。
そういう人が戦えば勝ちは間違いない。
その人にとっては、もう自分で負けてる相手に勝つというだけの、当然の話。
だから戦が上手な人は、まず鉄壁の守りを築いて待ちの態勢をとって、相手がボロを出して余裕勝ちできるチャンスが来るを待って、そこを一気に叩く。
勝者は戦いの前にすでに勝っている。(カッコイイ!w)
敗者は戦いを始めてから勝とうとする。
戦が上手な人は、みんなの意識が一つになるような立派な政治をして、軍のルールをよく守る。だから勝敗もコントロールできる。
自軍に勝ち目があるかどうか判断するための思考ステップ。
- 「度(たく)」=「土地の広さ」
地形によって土地の広さが決まる。 - 「量」=「資源の量」
土地の広さによって生まれる資源が決まる。 - 「数」=「人口」
生まれる資源の量によって人口が決まる。 - 「称」=「戦力比較」
人口によって決まる戦力(国力)を相手と比較する。 - 「勝」=「勝ち目」
戦力比較の結果、勝敗を考える。
勝つ軍はこんな感じで自軍に勝ち目があるかどうかを判断してるから確実に余裕勝ちする。
負ける軍はこういうことやらないから無駄な抵抗しかできない。
あと、民を戦わせるときはまるでダムが決壊して水が一気に谷に流れ落ちるみたいな勢いにするのが勝つ軍の攻めの姿勢。
次回予告
「守りの姿勢」を維持しながら余裕で勝てるチャンスが訪れるのを待つ。
渋い。でも、確かにまだこっちが何もしてないのに相手が勝手にダメになってくれるパターンは結構あるかもね。
次は、戦うときの勢いって大事だよねって言う話。
参考図書