第九章:称は勝を生ず
兵法は、一に曰く度(たく)、二に曰く量、三に曰く数、四に曰く称、五に曰く勝。
戦争の重要な要素は、
一、国土の広さ
二、食料の生産量
三、兵士の数
四、敵との戦力バランス
五、勝敗がどうなるか
である。
地は度を生じ、度は量を生じ、量は数を生じ、数は称を生じ、称は勝を生ず。
国土の広さが食料の生産量を決め、食料の生産量が兵士の数を決め、兵士の数が敵との戦力バランスを決め、敵との戦力バランスが勝敗を決める。
食料の生産量(度)が連鎖的に勝敗を決する要因に鳴るので、大事だ、というわけだ。
もちろん食料の生産量を決めるのは国土なので国土の広さが大事なのだが、それは変えられない。いずれにせよ、この連鎖の途中に弱い所があれば問題である。
また、これは物量に限定しているが、質も忘れてはいけない。
兵は多きを益とするにあらざるなり。
兵が多ければ善しとするべきではない。
現代戦、企業間の争いなど、我々の世界に当てはめてみれば、要素の内容は変わってくるだろう。それよりも自軍にこういったウィークポイントがないかを省みるべきだという教えにも取れるのではないだろうか。
次回予告
優れた将とはどういうものか?
優れた組織とはどういうものか?
これは現代で大いに参考になりそうな内容である。
次回はそれを学ぶ。
お楽しみに!
参考図書
この本で勉強させていただいています。興味のある方はこちらをどうぞ。