マジわかるんですけど孫子

「超軟訳」マジわかるんですけど孫子

超絶簡単な言葉だけで説明された、読むだけで孫子が頭にすいすい入ってくるブログです。

第七章ノ一:それ兵の形は水に象る。

迂直の計などで地の利を得たら、正攻法と奇襲をうまく組み合わせて勝負を決したいところだ。

人を形(けい)せしめて我に形なければ、即ち我は専にして敵は分かる。
相手のことは手にとるようにわかっていて、こちらのことは相手に見えなければ、自軍は一点突破をしていても敵は分散防御せざるを得ない。

この状態は理想だ。

しかし、相手も馬鹿ではない。相手もどう攻めてくるかわからない。

やはり情報が不足している状況はあるものだ。

それ兵の形は水に象(かたど)る。
戦闘態勢は水のようであるべきだ。

水の形は高きを避けて下(ひく)きに趨(おもむ)く。
水は高い所を避けて低いところに進む。

兵の形は実を避けて虚を撃つ。
戦争でも充実した部分を避け、手薄な部分を攻める。

水は地に因りて流れを制し、兵は敵に因りて勝を制す。
水は地形によって流れを制御し、軍は敵によって勝利する。

故に兵に常勢なく、水に常形なし。
故に戦争にも決まった状態はなく、水に決まった形はない。

よく敵に因りて変化し、而して勝を取る者、これを神と謂う。
敵に対し柔軟に対応し、勝利を得る者を神と呼ぶ。

水のように柔軟にすべし、というのはわかるが、具体的にはどうすればよいのかはここからは読み取れない。

また、前の章では先手が有効かのようにも書かれていたではないか。

基本的にはこちらが相手の意表をつくような動きで撹乱させ、弱い所をつくのが良いのだろうが、情報戦で先んじることができていないならば、水の流れのように柔軟に対応するしかない。

しかし、後手に回っているのに状況から判断して いては、相手の罠に陥る可能性が高いだろう。

それこそ相手の思うつぼだ。

私がこの状況で軍師だったら。

不利な状況から判断できる結論には飛びつかない。なぜならそれは罠の可能性が高いからだ。

守屋先生によれば、高度な者同士の戦いでは、相手が手を出した刹那の後出しジャンケンで相手を圧倒する対応をする、いわゆる「見切る」ということをするのだ、とも解釈できる。

返す刀で反撃をする。これは相当緊迫した場面だが、それが成立することもあるのだろう。

イメージは柔道や合気道で、相手の動きにうまく合わせて倒してしまう、あれだ。

柔よく剛を制すだ。

次回予告

七章も一旦ここで分ける。

明確に形に現れないが、とても大きな影響力を発揮する「勢い」という概念。

次回はこれについて触れる。

chiwahi2.hatenablog.com

お楽しみに!

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