12. 火攻めだ!
孫子の教え。
火攻めには5種類のタイプある。
- 人を直接焼き殺すもの
- 食料や物資を焼くもの
- 輸送車を焼くもの
- 倉庫を焼くもの
- 宿営地(キャンプ)を焼くもの
火攻めをするのにいい条件が必要だ。
火攻めをするには事前に十分な準備が必要だ。
火攻めには今だ!というベストなタイミングがある。
火攻めをするのにベストな日がある。
タイミングは、空気が乾燥している時。
ベストな日は(当時の暦の)月の7日、14日、27日、28日。
この4日は風が吹く日だから。
火攻めの5種類のタイプによって対応を変える。
ウチラの放火で火が敵の内部で発生したら、すかさず外から攻め込む。
火が上がっていても敵が静かな場合は、すぐに攻めずに火が大きくなるまでま待って、敵の動きに応じてイケそうだったら攻めてヤバそうだったらやめる。
敵陣の外から火を放って攻撃できる場合は、内側から火があがるのを待たずに、いいチャンスが来たら放火する。
火が風上で上がったら、風下から攻撃しちゃダメ。
昼間ずっと風が吹いていたら、夜は止む。
軍隊は火攻めの5タイプを理解して、持てる全ての技術を駆使して攻める。
水を攻めに利用するのは強い軍だからこそ。一方火を攻めに利用するというのは賢いやり方。
水は敵を分断することはできるけど、それで敵陣を奪うことまではできない。
戦いに勝って戦果を手に入れても、手際よく切り上げずにだらだらと戦争を続けるのは最悪。不吉。そういうのを費用の無駄遣いという。
いい主君はこういう部分に深い考えを持っているし、いい将軍はそれがわかってる。
メリットがないなら軍隊を動かさない。
得るものがないなら軍隊を使わない。
危険が迫ってなければ戦わない。
主君は怒りに任せて軍隊を動かしちゃダメ。
将軍は憤りに任せて戦いをしちゃダメ。
メリットがあるなら動いて、なければ動かない。
怒りはまた喜びになるし、憤りもまた悦びになるけど、滅んだ国がまた戻ることはないし、死んだ人もまた生き返らない。
だからいい主君は戦争に対して慎重になるし、いい将軍はやたらと好戦的にはならない。
これが国と軍隊をを安全に保つ方法。
次回予告
火攻めだけで一篇あるなんて、火はよほど強力な武器だったんだろうね。
ここでは火攻めや水攻めの効果や目的がわかった。
何事もこういう分析的な目で捉えるといいんだろうね。
最後は、スパイについて。
孫子の時代から情報は何より大事だってことがわかるよ。
参考図書